トヨタが戦後初めて送り出した小型乗用車「トヨペットSA型」解説【失敗作?】

投稿日:2023年7月21日 | 最終更新日:2024年3月13日 | Yuki Kobayashi

こんにちは、井口事務所カーライフ+編集担当の小林です。

本記事では、

・トヨタが戦後初めて送り出した小型乗用車である「トヨペットSA型」

についてお伝え出来ればと思います。

関連記事:トヨタ初の量産乗用車「トヨダAA型」解説記事!【トヨタじゃなくてトヨダ?】

太平洋戦争後、トヨタ初となる小型車を生産開始するにあたり、愛称を一般から公募する事となりました。

そこで選ばれたのが「トヨペット」という名称です。

以後、1968年までトヨタが販売する小型自動車はいずれも「トヨペット」という名称で親しまれる事となります。

それでは早速、トヨペットの始祖ともいえるSA型とは一体何なのか、迫っていく事にしましょう。

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トヨペットSA型とは

トヨペットSA型は1947年10月に生産が開始された小型乗用車です。

ヨーロッパとアメリカのデザインテイストを融合したボディは、独特の流線型を持つ2ドアセダン。

シャシーには日本で初めてバックボーン式フレームを採用するなど、高級乗用車として設計されまいsた。

パワートレインは、即弁式(SV)を採用した新開発のS型エンジンに、リモートコントロール式の3速MTが組み合わされ、最高速度は87km/hに達したとされています。

サスペンションには、フロントにニーアクションとコイルスプリング。

リアに振子式のアクスルと横置き式リーフスプリングを採用。

悪路での乗り心地には定評があったと言われています。

SA型のスペック

トヨペットSA型のスペックは以下のとおりです。

型式・車種記号 SA型
全長×全幅×全高(mm) 3,800×1,590×1,530
ホイールベース(mm) 2,400
トレッド前×後(mm) 1,300
最低地上高(mm) 1,350
車両重量(kg) 1,170
乗車定員(名) 4
登板能力 22%
エンジン型式/種類 S型
配列気筒数/弁型式 水冷4気筒直列側弁式
内径×行程(mm) 65×75
総排気量(cc) 995
圧縮比 6.5
最高出力(PS/rpm) 27(HP)/4,000
最大トルク(kg・m/rpm) 5.9/2,400
トランスミッション リモートコントロール式3速MT

SA型の派生

SA型にはいくつか派生した型が存在します。

それが、SD型SF型です。

トヨペットSD型

SA型から派生したSD型は、耐久性に定評のあったSB型トラックのシャシーを流用し、乗用車ボディを架装した4ドアセダンです。

主にタクシー用として活躍し、1949年(昭和24年)11月から1952年2月までに665台が生産されました。

ボディ架装は関東電気自動車製造(現関東自動車工業)が担当。

後に、東京都品川区のワイルドフィールドモータースも参加し、丸みを帯びたフロントボディが特徴のSDY型、幅広タイヤを装着しトレッドやボディサイズを拡大したSDX型などバリエーションを増やしました。

トヨペットSF型

1951年(昭和26年)8月から1953年8月までに計3,635台を生産し、トヨペットブランドの価値を高めた大ヒットモデルです。

SD型がトラックベースのシャシーを流用していたのに対し、SF型はシャシーやフレームを再設計。

ホイールベースを延長し、筒型ショックアブソーバや振動数の少ないスプリングを採用するなど、居住性と乗り心地を大幅に向上させています。

発売当初から、ボディはトヨタ自動車工業が設計して荒川鈑金工業で製造したSF型、関東自動車工業が設計し製造したSFK型、三菱中日本重工が設計し製造したSFN型の3タイプが用意されていました。

SA型は失敗作!?

SA型は多くの最新メカニズムを導入しながら、自動車としての成功には至りませんでした。

当時は戦後の混乱期で、日本の工業界がようやく復興を模索しはじめた時代です。

性能の良い工作機械も良質な資材も共に不足した状態で、複雑なメカニズムの新型車を生産することは容易ではありませんでした。

出来上がったSA型では故障や破損が連発。

更にトヨタ自動車自体が1950年には一時深刻な経営危機に陥り、事業継続自体が危ぶまれるなど、生産体制には不安がつきまとったのです。

また、この時代の日本では、道路整備が未だまともになされていない状態で、都市部でも未舗装の道路は多く存在しました。

当時の乗用車の需要はタクシーが大半を占めており、SA型の生産は215台に留まりました。

まさに、時代を先取りしすぎた車だったと言えます。

※トヨタ車両系統図に関してはこちらをご確認ください。

まとめ

・トヨペットSA型は戦後に初めてトヨタが発表した小型乗用車

・SD型やSF型など様々な派生がある

・タクシー需要や戦後の不安定な状況もあって販売は上手くいかなかった

小林(WEB担当)
小林(WEB担当)
いよいよ始まったトヨペット。ここから更なる進化を遂げていく事となります。

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