【行政書士による解説シリーズ】権限の代行や権限の代理とは何かを簡単にわかりやすく解説!

投稿日:2023年11月22日 | 最終更新日:2024年1月31日 | Yuki Kobayashi

監修者 小宮 淳(行政書士|ITコーディネーター)

この記事では、自動車登録手続きを行う行政書士法人の登録実務担当者が、

・権限の代行

・権限の代理

について解説させていただきます。

権限の代行とは

法律による行政の原理から、行政機関の権限はそれぞれ法令によって定められており、その範囲内でのみ活動できるに過ぎないのが原則です。

しかし、病気や怪我等のため自ら権限を行使する事が出来ない場合や不適切な場合もあります。

その場合には、他の行政機関にその権限の全部又は一部を行使させる必要があります。

これを権限の代行と言います。

権限の委任

権限の委任とは、ある行政機関の権限の一部を、別の行政機関に委任して行使させる事を言います。

権限を委任した場合、その部分について委任した行政機関の権限は無くなります。

つまり、ある行政機関の一部をそっくりそのまま他の行政機関に移してしまうのです。

権限の委任では、受任した行政庁がA庁だとすると、「A」という名で権限の行使を行います。

一方、権限の代理では、例えば委任庁がBとすると、「Bの代理のA」として権限を行使する事になります。

法律上与えられた権限の所在を変えるのですから、権限の委任をするには必ず法律上の根拠が必要となります。

また、誰に権限があるのかをはっきりさせるため外部への公示が必要となります。

なお、権限の全部又はその主要な部分を委任する事は許されません。

これは、権限を法定した意味が無くなるからです。

委任を受けた行政機関は自己の名と責任でその権限を行使します。

委任機関は、原則として受任機関を指揮監督する事は出来ません。

既に、権限そのものが受任機関に移転しているからです。

最も、委任機関が自己の下級行政機関に対して権限を委任した場合は、当該下級行政機関を指揮監督する事が出来ます。

権限の代理

権限の代理とは、ある行政機関の権限を、別の行政機関が代理機関となって行使する事です。

上述した権限の委任と権限の代理の最大の違いは、権限が移転するか否かです。

権限の代理では、代理権を与えられた機関は、権限行使を代わりに行うに過ぎません。

権限は、あくまでも本来の行政機関にあります。

また、代理機関は代理行為を行う際には顕名(代理関係がある事、非代理機関がどこなのかを明示する行為)が必要です。

権限の代理には本来の行政機関からの授権に基づいて代理関係が発生し、代理行為を行う授権代理と行政機関が欠けた時や事故があったときに法律の定める所に従い、他の行政機関が本来の行政機関の権限を代理する法定代理の2種類があります。

まとめ

・権限の委任とは、ある行政機関の権限の一部を、別の行政機関に委任して行使させる事

・権限の代理とは、ある行政機関の権限を、別の行政機関が代理機関となって行使する事

 

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