【行政書士による解説シリーズ】親権とは何かを詳しく解説!

投稿日:2023年11月22日 | 最終更新日:2024年1月31日 | Yuki Kobayashi

監修者 小宮 淳(行政書士|ITコーディネーター)

この記事では、自動車登録手続きを行う行政書士法人の登録実務担当者が、

・親権

について解説させていただきます。

親権とは

親権とは、父母が未成年の子を一人前の社会人となるまで養育するため、子を監護教育し、この財産を管理する事を内容とする権利義務の総称をいいます。

父母の婚姻中は父母の双方が親権者とされており、父母が共同して親権を行使することとされています。
父母が離婚をする場合には,父母のうち一方を親権者と定めることとされており、離婚後はその者が親権を行使することとなります。
少し話が脱線してしまいますが、離婚した場合、親権者はまず父母の協議によって定めることとされています。
子どもの監護・教育に関する事項(進学,医療等)や財産に関する事項について、父母のどちらが決定するのが子どもの利益となるのかという観点から話し合いが必要だからです。

協議によって定めることができない場合や、協議をすることができない場合には,協議離婚をすることができませんので家庭裁判所における調停や裁判によって離婚することとなり親権者もその手続の中で定められることとなります。

親権はあくまで総称なので、細分化すると以下の権利を持ちます。

身上監護権

親権を行うものは、子の利益のために監護及び教育をする権利を有し、義務を負います。

財産管理権

親権者は、子の財産を管理し、その財産上の行為について子を代表します。

利益相反行為の規制

親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権者に親権の公正な行使を期待する事は出来ません。

そこで826条1項では、親権者の代理権・同意権を制限し、家庭裁判所の選任した特別代理人にこれらの権利を行使させ、もって未成年の子の利益を保護しています。

協同親権者の1人とだけ利益が相反する場合には、他方の単独代理は認められず、特別代理人と他方親権者と共同で代理します。

判断基準

利益相反行為にあたるか否かは、その行為自体の外形から判断すべきであって、親権者の意図や当該行為の実質的効果等によって判断すべきでは無いとされています。

外径から判断することから、子の財産を親権者に譲渡する行為や親権者が自己の債務のために子の不動産に抵当権を設定する行為を行った場合、これは利益相反行為にあたります。

これに対して、子を債務者として借財し、その子の不動産に抵当権を設定する行為はたとえ親権者が借財によって得た金銭を自己の用に供する意図であっても、利益相反行為にあたりません。

違反の効果

特別代理人の選任を待たずに親権者自ら子を代理して行った利益相反行為は、無権代理行為であり、後に選任された特別代理人又は成年に達した子が追認しなければ、子に効果が帰属しません。

親権の喪失

父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるとき、その他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害する時は、家庭裁判所は子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権喪失の審判をする事が出来ます。

親権の喪失の審判により、親権者は、親権に属する一切の権限(身上監護権、財産管理権、代理権等)を一切失います。

また、父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより、子の利益を害する時は、家庭裁判所は子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人または検察官の請求により、その父又は母について、親権停止の審判をすることが出来ます。

そして、停止をする場合、家庭裁判所は2年を超えない範囲内で期間を定めます。

 

その他の手続きや解説に関してはこちらからご確認ください!

 

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