こんにちは、井口事務所カーライフ+編集長の太田です。
今回、インタビュー企画としてお話をお聞きしたのは、北海道でキッチンカーで移動型フードビジネス(移動販売業)を営む「S.N」さん。
※実際の店舗(COWBELL)と提供している商品
このS.Nさんという人物ですが、夢を追いかけてはるばる北の大地へと飛び出した「若き挑戦者(27歳)」。
停滞感漂うこの時代に反して勢いのある方にお話をお伺いすることが出来、私自身もこの取材を通してとても刺激になりました。
今回は、インスタを通じてコンタクトを取り、営業時間の合間を縫って取材へのご協力を頂きました。
本記事では、主にキッチンカーの商売に関するお話(業務内容、1日のスケジュール、商売をする上で大変なところ・良いところ、恒例の質問コーナー)を中心にお届けいたします。
これを読む方のほとんどが、キッチンカーを利用する側の立場が多いかと思いますが、この記事で「運営側」の視点に触れて頂き、キッチンカーの魅力を感じて頂ければと思います。
※この取材を終えた私の夕ご飯が、近所の牛丼屋のチーズ牛丼(大盛)であったことをこの記事を通してお話ししておきます。
自己紹介・キッチンカーを始めた理由
初めまして、S.Nと申します。
⽊材で⼿作りした「⼩屋型キッチンカー」にて調理した料理を提供する移動販売業を行っています。
メインは「北海道⼗勝産のラクレットチーズを使った料理」で、エゾシカ⾁などのジビエもご提供しています。
春から別メニューにて2号⾞も稼働予定です。
※実際の調理の様子が分かる写真を頂きました。
キッチンカーでのフードビジネスを始めた理由
元々は関東出身で、地元企業に属していたのですが、⾃然やアウトドアが好きだったことや⾃分のことを誰も知らない⼟地でもっと新しい経験を積んでいきたいという思いから北海道へ移住しました。
車中泊にて道内旅を続けるうちに
・移動して周るような仕事がしたい
・人が好きなのでダイレクトに触れ合えるような仕事がしたい |
との思いから、キッチンカーでの起業を決意しました。
実家がカーフィルムや⾶び⽯ガラス修理、コーティングやルームクリーニング施⼯等をするカーディテイリング業なので、小さな頃から⾞と身近に接していて、⾃分も⾞好きになったことも理由のひとつかもしれません。
また、地元企業での会社員時代にキッチンカーを利⽤した際に、各オーナーさんの接客対応に感動し、「自分でもやってみたいなぁ」という思いが頭の⽚隅にありました。
S.Nさんが語るキッチンカー業の仕事内容・勤務体系・1日のタイムスケジュール
※実際に運営されているキッチンカーの写真をご提供頂きました。
主な仕事内容
①出店スケジューリングを決定し、SNSで発信
②仕入れ ③仕込み ④積込み ⑤現地到着 ⑥出店現場準備 ⑦出店 ⑧出店現場の片付け ⑨帰宅して荷下ろし、洗い物 ⑩事務作業 |
1日のタイムスケジュール
6:00- | 起床 |
7:00- | 仕込み、積込み |
9:00- | 到着して開店準備 |
10:00- | 開店 |
17:00- | 閉店・片付け |
18:30- | 仕入れ |
19:00- | 帰宅→荷下ろし→洗い物 |
19:30- | 明日以降の出店準備 |
20:00- | 事務作業、SNSでの発信 |
20:30- | 自由時間 |
早朝夜間イベント等の場合は、この限りではありません。
また、出張出店の場合は宿泊を伴う場合もあります。
キッチンカー(移動販売)の仕事で大変なところや良いところ
※キッチンカーの車内から見える外の様子写真をご提供頂きました。
大変なところ①|拘束時間が長い
タイムスケジュールを⾒て分かるように、⾃分の時間があまり取れません。
ただ、好きでやっているので、むしろ楽しい毎⽇を送っていますし、固定店舗ではないので、⻑期休みなど⾃分で設定可能です。
大変なところ②|雑務が多い
出店だけでなく、スケジューリング、仕⼊れ・仕込み、準備・⽚付け、移動、事務作業、⾞両整備等、表には出ない裏方の仕事が⾮常に多いです。
良いところ①|お客様からダイレクトな反応や感謝を受け取れる
キッチンカーを運営する上で⼀番の魅⼒かもしれません。
基本的に⼀⼈で店頭に⽴ってレジから調理、販売まで⾏います。調理中もお話をしたり、受け渡して召し上がっていただいた後に直接感想をもらうことも多いです。
これがやりがいに繋がります。
良いところ②|お店のメニューから雰囲気まで⾃由に決められる
保健所や法律で決められた範囲内であれば、あとは⾃由に設定できるので、地産地消にこだわっても良いですし、ボリューム感にこだわっても構いません。
⾞両も店主の雰囲気に合わせて、レトロっぽくしても良いですし、洗練されたデザインにしてもOKです。
⾃分のカラーで、個性を出すことが出来ます。
良いところ③|好きな場所で出店できる
事前に各出店先に営業をかけたり、スケジュールを組んだり、都道府県ごとに営業許可を取る必要はありますが、道路以外の施設等であれば、先方の許可が降りれば出店可能です。
土地ごとにお客様の層や雰囲気が違ったり、時間を作って観光をしたり、楽しみが倍増します。
ビジネスの観点で捉えると、自分が提供するメニューに合ったイベントに参加することも可能なため、そこでの広がりもあります。
ド素人の私が考えたキッチンカービジネスに関する質問9つをS.Nさんに聞いてみた
以下の9つの質問は、料理ド素人な上、フードビジネスに全く知見がない私が考えた質問です。
質問①|飲⻝経験なしで起業することは可能ですか?
可能ですが、独学でも構いませんので、ある程度学んだり経験をしておく必要はあります。
質問②|新規参⼊にあたり、注意すべきところは何でしょうか?
キッチンカーへの参入者も増えているので、こだわりポイント(差別化)が必須になると感じます。
質問③|商売が軌道に乗るまでに大変だったことは何ですか?
「ラクレットチーズ」という、もの珍しさを認知していただくまでに時間がかかったことや、コロナ禍に開業がぶつかった為に業績を残しづらかったことです。
質問④|サラリーマン時代と比べて所得の変化はありましたか?
個人事業の場合、経費計上のメリットなどがあるので何とも表現するのが難しいですが、もうすぐ3期目となり、売り上げは順調に伸びております。
現状に満足することなく取り組んでいます。
質問⑤|申請⼿続や準備するものを教えてください
保健所で全て書類は揃います。車両とは関係ありませんが、食品衛生責任者の資格受講も必要です。
また、⾞両を作る前に保健所に⾏くことをお勧めします。発電機(電気式も可)も⽤意しておいたほうが良いです。
質問⑥|キッチンカーを⼊⼿する上で価格をなるべく抑えたい場合はどうすれば良いですか?また、構造変更の⼿続など⾞の登録⼿続についても教えてください
すでにキッチンカー仕様になっている中古⾞両を⼿に⼊れることです。ただし、⾞両の状態は詳しい⽅と⼀緒にチェックした⽅が安⼼です。
構造変更しても良いですし、トラック系の場合は営業室は荷物としての取り扱いにすることも可能なので、特段⼼配は要りません。
構造変更をしない限り登録は⼀般⾞同様で⼤丈夫です。
質問⑦|キッチンカーを営業するエリアや時間帯などマーケティング(※認知を得るための施策など)に関する取り組みを教えてください
僕の場合は、北海道内で出店されているキッチンカー情報をSNS等で収集して、直接状況を確認しに⾏きました。
お客様の⼊り具合や売れ筋、値段感等をチェックしていました。
あとは、開業したい旨を現役オーナーさんに伝えて、⽣の声を聞きつつ、横の繋がりを作っていきました。実際に個々のスタイルで稼働させないと分からないことが沢⼭あるので、あくまでも情報のひとつとして取り⼊れたほうが良いと考えたためです。
また、自身でもSNSでは情報発信を行っているので、欠かせない集客ツールの一つとなっています。
質問⑧|⾃⼰資⾦が準備できない場合、融資制度などを活⽤することは出来ますか?
融資制度も活⽤可能です。実際に僕も融資制度を活⽤しています。
開業資⾦は⾞両の規模によって異なりますので、⼀概に⾔えませんが、最低でも⾞両費頭⾦+半年以上⽣活できる貯蓄は準備しおくことをおすすめします。
質問⑨|今後の展開(展望)についてお聞かせください
先ほども触れましたが、目先では、別メニューの展開で2号車の稼働を軌道に乗せることです。
各商材で向き不向きがありますので、出店場所やイベント内容に対応できるよう体制を組んでいきます。
最後に|S.Nさんが考えるキッチンカービジネスの重要ポイント
お客様との繋がり、出店関係者様との繋がり、同業者の繋がりと、横の繋がりが重要になる⼈間的な商売です。
思わぬところで出店場所を紹介していただいたり、物産展等の関係者様、ラジオや新聞、ネット記事等の関係者様から直接お声がかかることも多々あります。 常にアンテナを張り、真っ当な仕事と⼈間関係を楽しみながらやっていれば、プラスに働くことがあります。 |
ここまでご拝読頂きまして誠にありがとうございます。
私の経験が、どなかたのお役に立てることが出来れば幸いです。
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