こんにちは、カーライフ+編集長の太田です。
本記事は、何でも屋の「koki」さんに名画と名車というテーマで寄稿していただきました。
この何でも屋のkokiさんという男を説明するだけでも1記事書けてしまいますので割愛させて頂きますが、サラっと触れておくと「デザイナー」という看板もあれば、「コピーライター」でもあり「SE」でもありながら「農家」でもある。
…そんな彼を一言で例えると”何でも屋”になるわけです。
そんな忙しい日々を送るkokiさんの負担にならないように、ダメもとで記事執筆のお願いをしてみたところOKをもらうことが出来ました。
それでは、少しマニアックな「ルパンと名車」のお話をどうぞご覧ください。
スクリーンを飾った名車たち
映画や劇場アニメで印象に残っている車と言えば、みなさんは何を思い浮かべますか?
バック・トゥ・ザ・フューチャーのデロリアン、007シリーズのアストンマーチンやトヨタ2000GT、ミスタービーンのミニ・クーパー、車が主人公のカーズやトランスフォーマー、TAXI、ワイルドスピードなどなど・・・
これまで多くの名車が、世界中のスクリーンを駆け回ってきました。
その中でも、個人的に思い入れのある作品として劇場作品「ルパン三世-カリオストロの城-」とイタリアの国民的大衆車「フィアット500」を取り上げ、少しマニアックに深掘りしてみたいと思います。
ルパン三世カリオストロの城と名車
↑私物のポストカード
1979年に公開された劇場アニメ「ルパン三世-カリオストロの城-」は主人公ルパン三世と次元大介がフィアット500(チンクエチェント)の車内一杯に札束を詰め込んでカジノから逃走するシーンから始まります。
混雑した道で右に左に車を避けながら、なんとか逃げおおせたルパンたち。
ところが、そのお宝が偽札だと気づき、フィアットの窓から、大きく開くルーフトップからばら撒きます。
・・・ここでタイトルが出てきて本編スタート。個人的に大好きなシーンです。
本作には、フィアットだけでなく、ヒロインのクラリスはフランスの大衆車シトロエン2CV(ドゥシボ)、毎度おなじみ銭形警部は国産車ブルーバード510という、ノスタルジックな「大衆車」が登場する、車好きにはたまらない作品でした。
なぜルパンはフィアットに乗ったのか
カリオストロ封切の6年前、1971年にテレビ放送が始まったルパン三世。
モンキーパンチさん原作の大人向けのハードボイルドアクションとしてスタートしたものの、視聴率が振るわず第3話放送を待たずに急遽、路線変更を余儀なくされました。
そこで登場したのが、今や日本アニメ界の巨匠、高畑勲さんに宮崎駿さん。
当時でいう今風のシラケ感を払拭し、内容もスラップスティック(トムとジェリーのようなドタバタ喜劇)をベースに、キャラ設定までもが徐々に変わっていきます。
初期設定のルパンは、裕福に不自由なく育った青年が、現実離れしたスリルを求め数々の事件を巻き起こすキザなワルという印象でしたが、それを大きく方向転換。
貧乏人の倅で、惚れっぽい。知恵と愛嬌を武器に、クルクルと逃げ回りながら、目的を追うという、映画で見せたあのルパンの姿になったのです。
実はこの設定変更にこそ、ルパンがフィアットに乗る理由が隠されています。
初期のルパンはいわゆる裕福な家の御曹司。
愛車もメルセデスやアルファロメオのヴィンテージオープンカーでした。(テレビアニメのオープニングやエンディング、CMをつなぐ作画に出てきました。)
途中参加の高畑さん、宮崎さん率いる演出チームは、設定変更を受けここにもメスを入れます。
イタリアの国民的大衆車フィアット500が16話で初登場。
その後テレビアニメ編や映画カリオストロの城でも作画監督を務める大塚康夫氏の手によって、ルパンの代名詞となるカーチェイスシーンが生み出されていきます。
高級車から大衆車への変更はわかりますが、なぜそれがフィアットだったのか?実は当時の大塚康夫さんの愛車がこのフィアット500だったとのこと。
宮崎駿初監督作品であるカリオストロの城に登場するヒロイン、クラリスが逃亡シーンで運転するシトロエン2CVは当時の宮崎さんの愛車。
作中のシーンの数々を観れば、大好きな愛車がスクリーンで走り回る姿はお二人のうれしそうな顔が思い浮かびますね。
ちなみに、2CVという車名、これは2馬力という意味です。数百馬力の現代では考えられませんね。
フィアット500は500ccという排気量(今の軽自動車より小さい!)が車名に。劇中での活躍が嘘のようなかわいらしいスペックです(笑)。
小型輸入車のプチブーム
その後、映画のロングランやテレビ再放送での大成功もあり、ルパン三世シリーズはだれもが知る名作としての地位を確立します。
同時に、作中で活躍した車たちも小さなブームの火付け役にもなるのです。
当時輸入車といえば高級車。
スポーツカーや大きな車が主流です。そんな中、ルパン効果により小さくてかわいいフィアット500の人気が急上昇。
当時モデルから現在の新型モデルに至るまで、長く愛される存在として定着しています。
名前は知らなくとも、「ルパンの車」としてご存じな方も多いはず。
クラリスが乗っていたシトロエンも、今は絶版車となりましたが、独特のスタイルにマニアの間では根強い人気を誇っています。
1985年にスタートしたシティハンターという人気テレビアニメがありますがこの作品も、ルパン三世が強く影響しています。
普段は少しだらしなくて女好き、ユーモアあふれる主人公「冴羽獠」が、様々な危険に立ち向かい悪を成敗する。
大人気漫画・アニメとしてこの世代であれば誰もが憧れたと言っても過言ではありません。
そしてその愛車もイギリスの国民的小型大衆車ミニ(ミニ・クーパー)。
作中のスリル満点のカーアクションは、ルパンシリーズで活躍した作画メンバーが担当しており、それまでのテレビアニメのクオリティをぐっと押し上げる作品として、今も愛されています。
フィアット500、シトロエン2CV、そしてミニ。
ヨーロッパの小さな大衆車が日本に根付くきっかけは、アニメだったのかもしれません。
少し、マニアックな話になってしまいましたが、おそらく皆さんの大好きな映画にも素敵な車が登場していると思います。
ぜひお時間がある時に、深掘りしてみてくださいね!
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