【行政書士による解説シリーズ】行政行為とは何かを分かりやすく解説!

投稿日:2023年11月22日 | 最終更新日:2024年1月31日 | Yuki Kobayashi

監修者 小宮 淳(行政書士|ITコーディネーター)

この記事では、自動車登録手続きを行う行政書士法人の登録実務担当者が、

・行政行為

について解説させていただきます。

行政行為とは

「行政行為」とは、行政機関が法律の規定に基づいて、一方的な裁量に基づいて、国民の権利や義務、その他法的地位を具体的に定める行為を指します。

行政の活動には様々な形態があり、行政機関が国民と同等の立場で合意を得て行う行政契約のような活動もあれば、行政目的達成のために行政機関が国民の意向を無視して一方的に権利を制限したり、義務を課したりする場合もあります。

例えば、課税処分や風俗絵企業の許可、公務員の罷免、土地収用の裁決等が行政行為に含まれます。

なお、「行政行為」という表現は学術的な文脈で使われる言葉であり、一般的には「行政処分」と呼ばれています。

定義

「行政行為」の定義は、「公権力の主体である国又は公共団体が行う行為で、その行為によって直接国民の権利義務を形成し、またはその範囲を確定することが法律上認められているもの」とされています(最判昭和39.10.29)。

この定義の中で、①国又は公共団体が行う行為、②公権力の行使、③国民の権利義務を形成・確定、④法律上認められている行為(法行為)という4つのポイントについて説明します。

国又は公共団体が行う行為

行政行為は行政機関の行為であり、私人や民間企業の行為は含まれません。また、国会や裁判所の行為も含まれません。

公権力の行使

公権力の行使とは、法令で与えられた権限に基づいて、行政機関が自らの責任で決定することです。

国民の意思に関係なく、権利や義務を一方的に変動させたり、強制を加えたりすることを指します。

国民の権利義務を形成・確定

行政庁が国民に対して何らかの命令や決定を下すことで、国民の権利や義務が形成または確定される例を挙げています。

法律上認められている行為(法行為)

行政行為は法律行為である必要があります。

法律の規定に基づいていない行政行為は存在しません。

行政行為の種類には、法律行為的行政行為と準法律行為的行政行為があり、それぞれに特有の性質があります。

法律行為的行政行為

法律行為的行政行為には、「命令的行為」と「形成的行為」があります。

命令的行為

行政庁が国民に対して命じる行為で、下命、禁止、許可、免除の4種類があります。

例としては、違法建築物の除去命令や特定の許可が挙げられます。

形成的行為

国民に特別な権利や法的地位を与えたり、奪ったりする行為で、特許、認可、代理の3種類があります。

例としては、特許の発行や認可された組織の設立が挙げられます。

準法律行為的行政行為

準法律行為的行政行為には、「確認」「公証」「通知」「受理」の4種類があります。

これらは意思表示以外の精神作用の発現を要素とする行為です。

確認の例として、選挙における当選人の決定、発明の特許等があります。

当選の効果が生じるのは、行政の意思に基づくのではなく、公職選挙法の規定があるからです。

公証の例として、行政書士の登録等があります。

登録の効果が生じるのは、行政庁の意思に基づくのではなく、行政書士法の規定があるからです。

確認

事実や法律関係の存否について公の権威で確認する行為。

公証

特定の事実や法律関係を公に証明する行為。

通知

特定の事項を知らせる行為。

受理

他人の行為を有効なものとして受け付ける行為。

行政行為は成立後、効力が発生します。

これには、拘束力、公定力、不可争力、不可変更力、自力執行力の5つの効力があります。

各効力は、行政行為の性質や目的に応じて異なります。

 

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